「オービス」等と呼ばれる自動速度測定取締装置は御存知だろうか。レーダー波や地下コイルの磁力検知で違反車両とその速度を検知し、ナンバーや運転者の顔を実に鮮明に写し撮ってしまう取締用装置である。
この機械に似た形のカメラBOXが、今現在、都心に蔓延している。
警察は、犯罪捜査や交通情報の調査というふれ込みで、設置したその場所を通る車全てのナンバーを読みとる装置や、車の運転者ごと片端から撮影してその画像データを警察の中央コンピュータに転送する装置、ひいては車や人、そこで起こっていること全てをリアルタイムで見ることが出来る監視カメラまでをも無数に設置してしまった。 ・・・・はたして、その数はどれくらいか──
上を向いて、歩いてみよう
…まず驚くと思う、その数の多さに。都心ではまず交差点という交差点全てをカバーする間隔で監視カメラ(こげ茶色のBOXで大小様々)。向こうの交差点にも、同じように監視カメラ、そのまた向こうにも・・・・おっと、その中間のカメラが届かない位置にまたカメラ・・・・の死角にまたカメラ・・・・ はっきり言ってしまえば、都心部(最近ではけっこう広範囲)の道路上において監視カメラに映らない位置は、捜すのが難しい。たとえ都心部から離れたとしても道路の車通りが少しでもあればそれが例え片側一車線の道でも堂々とアーチを建ててナンバー読み取り装置や高精度カメラと映像転送装置が据え付けられ、場所によっては監視カメラとの二本立てというえげつなさ。これらの装置から、警察のコンピューターに常時転送される画像やナンバーのデータは、半永久的に保存され、警察は好きな時にこれらを読み出す、ということも考えられるのだ。例えば、あなたの知らないうちにあなたの昨日の行動データ(ナンバー○○-○○の車で、どこを走ってどこを曲がって(あるいは、歩いて)どこに入っていったかまで)が、何の関係もを監視カメラで見た警察は、「挙動不審。テロを起こす可能性のある不穏分子」と見て取るかも知れない。
ない犯罪捜査のデータと照らし合わされるているかも知れない。もし、気分的に落ち着かなくて妙にウロウロしていた昨日のあなた 速度取締用のオービスの設置以来、警察は公然だとばかり都内や幹線道路の至る所に監視のための装置を設置し続けている。我々が気づく頃には、どこへ行っても、常に一人一人が警察に見張られるようになってしまう。
今に、国や警察の陰口を独り言でボソッと喋った途端に特高警察が踏み込んでくる時代が、やって来る。楽しみだなぁ。
1996.7 文責/RED-WINGS Riding & Publishing Project 赤羽