☆を○る会 1998年度 参加レポート

エントリー種目:1998年度、○×組

初出(実名版):「もっとメタルとバイクが好きになる」月刊ヘッドバンギング98年9月号掲載

1998,9 第一期改訂
2001,4 第二期改訂
2006,2 第三期改訂


【前口上】

このレポートは、”同じ目的地を目指した個々の集まり”「☆を○る会」に参加した、RED-WINGS個人の文書です。
大体はノンフィクションですが最低限セキュリティ確保の為、文中に登場する人物地名等に意図的な変更を加えております。
(特に地名などは一部、真っ赤な嘘もあります)



 1998年度までは、開催時期に仕事が休めなかったり高速を走れるバイクがマトモなコンディションでなかったりで、「出よう出よう」と言いつつも参加できるチャンスを逃していた。

 今年は手持ちのバイクの中で、ターボからNAに戻したヤマハFJ1200(89)がマトモな状態だしという、お膳立てはそこそこ整っている状態の自分。ならば…

「いっちょ出てみますか!」

 別のクラブでの仲間、上草柳君に電話で連絡を取って、申し込み方法を教えてもらった。

 上草柳君は去年の☆を○る会の…特に危険度の高いクラスでの優勝者。
さらに、体育の日も毎年連勝を勝ち取っている強者だ。

 さらに上草柳君情報によると…去年の優勝は浜松のジャガという人で、なんとその車種がオイラのと同じ89-90年式のFJ1200。

 その前に知り合いのネコばす兄さんが89FZR1000で参加し、
メーターワイヤーが途中で切れて走行距離が判らなくなった(GAS残量も読めない状況)を240km/hで1時間走ったら給油を繰り返すことにより克服し見事優勝。
その時のコースレコードが今も尚、破られずにいる… 

 と、☆見の状況はざっとこんなもんだな。

 はたして、申し込んでから一週間少し経つと、普通は使わない種類の袋に入って今年の案内が届いた。

 参加が受理されたからといって浮かれてはいられない、準備の第1段階としてまず、仕事の休みを取らなくてはならない。

 

 というワケで、会社。(当時、バイク便)

(とても偉い)長「平日の三日間〜? こんなに休んで何処へ 行くんだ?」

RED「テラへ…じゃなくて、えーと、ちょっと、東北の辺りへ…」

(とても偉い)長「東北?」

RED「えっとぉ… 湖のほとりで皆でキャンプを…毎年定例なんですよ」

(とても偉い)長「この時期は……まさかRED君!」

RED「ぎく… いや、ちょっと、あのっそのっ」

(とても偉い)長「……そうか、七夕祭りを見に行くのか」

RED「そ、 …そーです、お祭りで! ( >▽<)/ 」

 

 休みは取れた。いいの。取れたの。 ……次、バイク。

 ショップ、『AC聖域』(当時は船橋)に行って、N社長に頼んでおいたFJ用「超」オーバードライブスプロケと、チェーンを交換してもらう。

 しかし、そこでN村社長の一言。

『RED君、これは当然、新品のチェーンなんだから慣らししてね』

「 !! (がーん) ……あの、三日後に高速道路を飛ばして走るんですけど…」

「高速道路?…もしかして玉?」

 いえ、そっちじゃなくて星の方です。

 これから二日は別のバイクで遅くまで仕事なんで慣らしは不可。せっかくの新品チェーンには悪いけど、ぶっつけ本番しかない。不安そうに見送られながら店を後にした。確かに整備屋としては本意ではなかろう。

 途中で初期伸びが出たらどうしようか悩んだ末、結局、現在FJのリヤ周りに入っているスズキGSXR1100のアクスルナット用超巨大メガネレンチ(凶器サイズ)を含め結構重くなる程の工具を荷物に詰め込んで行くことになった。げんなり。

 

 前日。適当に必要だと思われる物を荷物に積み込んでると仲間の暴れキリタンポ氏より電話が。

「☆行くの?」

「うん行きます。(←親しい年上には半敬語)上組(高速)で。ほら、この前暴れサンとこ行って燃費とかデータ取れたしさ。…ときに、湖ってウチから暴れサンとこより遠いんスか?」

 …変わらないか若干遠い、との事。(実際にはちょっとよりもうちよっとか遠いくらい…だった)その暴れ氏と、同・仲間である紅い鷹氏は、一度こちらまでツーリングしてきて、改めてスタートすると言う。パワフリャーなことだ。

 他には、関東方面からはモンゴリアン氏がV-MAXでオイラと同じクラスを走るそう。ふーん。

 …とにかく暴れさんとお互いの無事を祈って、電話を切った。

 前夜中に荷物を準備、日付が変わった頃に就寝、5時間は寝て翌朝。

 FJを軽く洗車して荷物積んでバトルスーツ上下に悪魔の看板のGベスト、カドヤのブラックシールドという完全武装でスタート地点に向かう。

 …ふと、なんとなく時間を1時間間違えているような気がしてきた。

 なんとなくじゃなくて確実に「1時間間違えてる!」と思い始めたのがレインボーブリッジを渡る頃。

 スタート時間を○時と思い込んでいたが、実はそうじゃなくて○時だったのだぜヘイお馬鹿さん。

 「そうなるともう皆スタートしているのでは…?」 と思いつつ青信号を発進しようとしたのでミスってエンスト。…これはやばい! 

 何故エンストがヤバイかを説明すると、オイラのFJはエンジンが熱を持っている時はケースに微妙な歪みがあるのかセルが廻ってくれないのだ。酷くなければハーレーのようなクランキングながらなんとか掛かる事もあるが…案の定、この暑さでは全然ダメ。(FJってそーゆーの多いらしい。対策としてローヤルスターのコイルを入れるのが良いらしいが)

 後ろの車も詰まってるし、前の車はとっくに彼方まで行ってるし、隣も流れているしでこのまま立ち往生していても「仕方が無い、押し掛けするろ…」と思い始めた頃、ドン!! といきなり後ろから突き上げられてもんどりうって地面に転げた。 

 じょっ!??????

 起き上がってよく見たら… 後ろのミニカToppoがゴミ屋(それも4tの大型収集車)にカマ掘られてて、その反動でトッポがどこぞのFJにカマを掘ってはる (;´Д`)

 玉突き衝突ってやつか。サラリーマン風のお兄さんもトッポの中でひっくり返っているし。 (ちなみに平日)

 オイラ自身は、二次衝突という立場だったのでとりあえずスッ転んだけど平気。

 後ろのゴミ屋のにーちゃんと周囲の人に手伝ってもらってFJを起こして脇によけて貰う。びっくりする程FJに損傷はなかった。

 …そーなのだ、実はFJは後ろからの衝突にかなり強い。以前にもマーク2だか何だかにカマ掘られた(というより、よんどころなき事情にて急停止して掘らせた)時にも、衝撃を感じて後ろを見たら、掘ったマーク2側が後ろに数メートルふっ飛んでいた…という事例があった。

 (余談だけど前後の衝突ってのはカマ掘らせようとしてブレーキ強く踏んだまま止まっているほうが圧倒的に有利です。車対バイクの重量差ハンデもこれでかなり埋められます。お試しあれ)

 さすがにその時はマークフロントがエンジンルームまで『くの字』状にめり込んでいたのを見て悪い気はしたが…(しかも警察にこってりしぼられたのはそのおっちゃんの方、ま…あれだけ二輪ナメた運転していればねぇ…)今回も同様、トッポは前がへこんでいてもFJはフェンダーがしなってナンバープレート奥に引っ込んだだけたった。

しかも今回、トッポは全く悪くない(笑)

 むしろ心配したのはFJが倒れた時に地面に漏れたガソリンの量。なんともまぁ恥ずかしいシミが一面に。

 …これで完全に燃費計算と給油ポイントが狂ってしまった…。

 とりあえずというか一応というかどうみても完璧な事故なので(笑)該当車は止まって警察と救急車待ち状態になったが… 前述のオイラそんな時間があろうはずが無い。

 …つーかこの日の朝スタート地点のすぐ近くの場所で、しかもあんなカッコして事故ってたら、現場に来た警察官に何言われるか分かったものてはない(笑)。 それに事故の原因というのも、オイラがあそこに立ち往生していたというのも無きにしも非ずなので(笑)「悪いけど行くよー? オレかまってらんないよこんなの」と台詞だけはいっちょ前に、その場を去る(悪党)

 すでにエンジンも冷えてて楽にその時はかかった。(皮肉だなぁ…)

 きっと後で警察が来て 「1台バイクも衝突されてたんですが…」 「で、そのバイクは?」 なんて騒ぎになってるだろうけど俺は知らん鬼畜) 救急車に関してはトッポの兄ちゃんが乗っていくだろうし。

 「あと野となれ山となれ♪」 と、スタート地点へ急ぐ。

 そこから間もなくスタート地点へ到着。
結局、一時間近くも余裕見て出発したはずが最初の間違いも含め30分遅刻ナリ。
当然、全員出発していた…

が、幸いにもスタート係の人達が撤収中で二人残っておられる。

オイラ「やっぱり?」

スタート係「いやもう、とっくだよー…」

オイラ「しゃーないナ、キャンプするだけでもゆっくり行きますわ」

スタート「いや… 飛ばせばゆっくり走ってる連中に追いつくよ。これからだと追いつくのはF辺りかな。ところで、RED-WINGSって、あの?」

オイラ「あ、はい、そーです」 (あのはやめて〜)

 スタート係の人は、記念写真をとってくれながら、話している。「KRの…」とか「警察に」とか聞こえるけどやめて〜

 

 さて。 受付を終えて一人でスタートしたが…なんか自分で雰囲気が沸かない。
そこそこしか飛ばせない。一人だからかな。

 ま、いいか。かつかつで事故ったりよりはマシなのね〜。

 事故といえば信号だが、一応、一般道の信号は大きいしスキも少ないしで守って走った。
トップの人たちなんかは毎年赤無視バンバンですごいらしいよ。あーくわばらくわばら。

 首都高に乗ってすりぬけ走行。
これが平日の首都高とあって、普段の仕事と同じシチュエーションなので快適。でもそのせいか頭が普段の急ぎの仕事以上にペースを上げたがらない(笑)
昔は結構自在だったんだけどなぁ…

 …なんて考えてたら首都高の分岐を間違えてしまった! かなり大失敗。

 高速道路はバイクとしては珍しいがオイラはよく使う1番右寄りのゲートを使用、通行券を流し取りしてすぐに車体を右に寄せ、コンパネの小物入れに券をしまう。
小物入れには既にハイウェイカードが入っていて、出るときはこれらをわし掴みにして料金所で渡す。

 一番ゲートでさらに右に寄せたのは、こうしておくと最初から追い越し車線に乗るのが楽なのだ。
このへんは仕事で付いた知恵かな。逆に左端ゲートから猛加速して追い越し乗ろうとすると結果的には道を斜めに横切ろうとるので勢い余って中央のガードレールに突っ込みそうになってアブナイ。
ハイウエイカード使用の理由は、料金所でモタモタ現ナマを払っているなんぞ初心者丸出しやからね。

 で、ありがちな左側路肩の重量計の先にパトカーが隠れていないか、を横目に見つつ(いるんだ、いつも。これも左端より右端のゲートから遠目に見たほうが発見しやすい)料金所の先をスタート。

 予想以上に追い越し車線が空いてたので、しばらくは追い越し車線キープの「どいてもらう走行」を続ける。
平日だからドライバーは皆プロ。ちゃんと皆後ろを見てるのでさっさと避けてくれて、高速スリ抜けしなくてもそんなに時間は損失なし。

 Hを過ぎた辺りで3車線の高速コーナーが連続するんだけど、クラウンとかセルシオとか普通の高級セダンがそれこそ普通に150km/hでクリアしていくのを横目に見て、巷で言われている「最近の乗用車の性能の進化」を実感。
もう、こーなるとバイクとの速度差なんて50キロ位も無いから、コーナーで抜く時ジーッと見られて、ちょっと照れくさい。

 Nあたりから、スタート係の人が言われた通りキャンプメインの(飛ばさない)人らしきバイクがぱらぱらと目についてきた。
危機感を与えないように少し減速して大袈裟にラインを取って、挨拶しながら抜く。ぱらぱらといえは雨も降ったり止んだり。

 ……ぶっちゃけた話、☆は酒持って宴会にさえ出てれば、別に道中は飛ばさなくてもぜんぜんオッケー。
(ここまでレポート書いて後からぶっちゃけるなよ…)

心置きなくナベやら釜やらを満載してツーリングしてこれるって寸法。
だからといって☆がレベルが低いワケではないのは、トップの人達の計測記録を見れば言うまでもないが。

 だから、荷物満載で流してても☆参加者は☆参加者なのだ。
(中には荷物満載して捲き散らしながらカッ飛ぶ人もいるようだけどそれは例外として)
自分なりの解釈でその人達をキャンプメインの人と呼んでいる。
ゴールした先ではその人達のお陰で勝利の美酒と料理を味わえるのだから、この人達がいなくては☆そのものが成り立たない。

 そんな人達だな、と思われる、抜いた人がまず、横浜で有名な、あのもとさん。
バイクはいつものZL1000。横浜の集まりではオイラもお世話になっているし、確か☆でも常連だったと思う
(毎年あのさんの集まりで☆の話を聞かされる度にオイラ「う゛〜、来年こそはでるじょっ!」ってな悔しい思いをしていたのだ)

 続いて抜いたのがV-max、ジンギスカンである。
氏は確か去年、事故で入院していて出れなかったが…いまここに目の前をV-maxが走っているということは晴れて今年は復帰したということだ。…初めてみたけどなこの人のV-max。

 そしてアニ番さん。
バイクは仲間から譲り受けて再生したGSX-R250R。
再生したんだけど、キャブの調子が悪くて120km/hしか出ない。
故にJさんのR250R、当然120km/hで走ってる。 (危ないって!)

 でもオイラはこのアニ番さんが一番凄い人だと思う。120km/hしか出ないR250Rで☆見のしかも上組走ってるし、(結局、完走した)
なによりもこっちが車種人定の判別をする前に後ろから近付いているのを察知し(かなり距離がある。しかもこっちはライトは灯けていない!)オイラの接近に反応して両足おっぴろげアピールしてるし。

 プロ程ね、後ろを見るものなのヨ。

 この分ならアニ番さんさんも大丈夫だな。

 話は変わってこの☆では、スタート地点で、主催側からあるクエストが指示される。

 毎年必ず、指定の場所であることを行い、その証拠をゴール地点まで持って行かなければならないのだ。

 今年はその一箇所目がNだった。(毎年、指定が変わる)

 かくして、Nに着いて、先着していた関係者の人達(先発の車組)に取締まり情報などを教えてもらいつつ、クエストを処理。

 情報によると今年はネズミ取りを、すぐ先でやっているらしい。迷惑な話だ。

 ところで。

 こういったイベントに参加するにあたっては、対警察という問題では「ネズミ取り」が一番脅威であるとオイラは思う。

 覆面だろうがNSXのパトカーだろうがVFRの白バイだろうが、自分らが星で走るスピードからすれば全く問題にならないが、(追いつけるワケがない)どっこい高速のネズミ取りってのは、場所によっては本線車線を一車線ずつ潰していって最後の車線にお巡りさん達が旗持って仁王立ちしているからだ。(馬鹿だよなあいつら、死にたいのかな? でも自殺にしたって人様に迷惑をかけないのがマナーだよな?)。そんな中を無理に突破した曉には二、三人引っ掛けてるって事もありえるし人の体だってマトモに当たればこっちはバイク、無事じゃ済まない。

 だからオイラは☆の事前にインターネット等でネズミ情報を検索したり、わざわざネズミ取り実施地点を高速道路のキロポスト表示で書き記した『出るねずみキロポスト辞典』(通称・出る鼠)なんつーのを書き出して、当日のタンクバックのクリヤポケットに入れたりしている。

 

ワンポイント

 高速でカッ飛ぶ場合に一番目で追い易いのが、高速道路上の路肩や中央分離帯にあるキロポスト(KP)表示。

 ネズミや給油地点もKP表示で一括管理すれば、いくら頭の弱いオイラでも走りながらにして「あと何キロでネズミ!」とか「あと何十キロ走ると給油!」と即座に計算できる。数字は見やすいように紙に大きく書いてタンクバックのクリヤポケットに入れておくけば進行方向から目をそらしている時間は僅か1秒足らずで済む。

ちなみにふつうの人なら1秒もかからない様だ。ただでさえ普段の思考に速効性が欠けているのオイラ
(いっつも会話の応答が頼りないでしょ?じっくり時間をかけて面白可笑しい長文なら作れるが、人と会話するとアドリブが利かなくて全然ダメ)はこの辺でかなり不利である事は人に言われんでも自覚している。(だから言わんといてやー)なので話は戻って、「現場で使う資料は簡潔・明解に」が自分的鉄則。そして生まれたのが、この『出るネズ』である。

 

 ネズミのKP地点を確認し、追い付いてきては優々と雨具に着替え始める、あのもとさんとモンゴリアン氏を横目に舌打ちを打ちつつ(笑)再びFJに飛び乗る。
(いや…一応持って来てはいたんですけどね。雨具…)

巨大スクリーンの恩恵のあるFJだが、遅かれ足先から濡れてくるのは覚悟しつつ、そのまま飛び出す。

 雨具を着るのは…遅れを取り戻してから、ね(←遅刻の罰!)

 GSで給油。悲しきかなこの時点で出るネズのデータ通りに行っていない、もうすでに行き当たり給油状態。

 ため息をつきながらガソリンを入れてもらってると、スタンドのおっちゃん、

『お兄ちゃんは蝦夷地の方ケ?』

「うーん、みちのくのほう」(笑)

 おっちゃん解ってらっしゃる。

 ガソリンと言えば燃費に関して。

 今回、FJに入れた超オーバードライブスプロケは予想ほど燃費は良くなかったがGSXR1100のリヤを丸ごと入れただけの以前よりはマシになった。
燃費160〜210km/hペースでL=9km代。今回のスプロケは4速でもTOPでも250まで針が行くが(なんてバカなオーバードライブなんだ)、ストレスなく一気に廻るのは210くらいまで。実はこの目安は大切で(自分的には最大巡航速って呼んでる)、その巡航速度=燃費が極端に落ちる直前の速度 となる。
だから最高速の高いバイクはそれなりに最大巡航も高いのでツアラー程タンクが大きく無くてもそんなには不利じゃないはず。
FJみたいないかにもツアラーを最高速付近で走らすと、エンジンの最大トルク域も上に外れているので燃料バカ食いするし大きすぎる外装ゆえに空力抵抗も大きい(さらに燃費悪化)
モンゴリアン氏が安積でオイラのFJを見て羨ましがってたけど…うん、実際そんなでもないよ。
(しかし燃料計付き時計付きはうらやましかろ?ケケケ)

それはそうと、今回みたいに大袈裟なオーバードライブにすると、トルク変動が掴みにくくなって、どこが最大巡高速だか判りにくくなるのね。

 コースも中盤になるにつれアベレーシが近い参加車両が増えてそれらを抜いた際、後腐れないように少しの間は意識的に飛ばす。
スタートしてから2時間を超えても「まだこんな所にいるんかい?」と自分で思い始めていたというのもあるかも。

 しかし、中盤以降に見舞われた雨やウエット路面に最高速を一気に落とし、後半のIの山の中をゆく高速コーナー郡では完全に雨、最低速さえも140に引き下げた。(だってフロントまで滑って恐いんだもん…)

 完全に減ったタイヤで行く自分も悪いんだけど、ハイドロプレーニングが凄い。

 まっすぐ走ってる時は200以上出せるけどそこからコーナーとか進路変更とかは全然車体が踊っちゃって全然ダメ。酷い時には車体が真横とか向きそうになったりでヒヤヒヤもの。

 そういえば中盤ほどのころ、遊撃車仕様のデリカを抜いて「じょっ? アレは確か…」とミラー見るとやはりベトコンさんのデリカらしくパッシングで合図しているので大きく片腕振りながら進路変更したら、その腕が振り子になって両輪滑り出して右へ左へ車体が向こうとするし。(多分、ベツコンさん達はウケ狙いのアトラクションだと思っただろう。…いや、さすがにあそこまで命張らないよ、確かにオイラは人生そのものがウケ狙いだけどさ)

 後半はストレートの最高速も180以下まで落として、それも加速とかするとヤバいから(特に加速中と200以上の高速にて発生し易い模様)かなりおとなしくならざるを得なかった。

 そう言えば昔、漫画『キリン』の読み切りでコージとマサキが最初に出てくる話があったけど、(雨の横浜ベイブリッジをカタナで走るあの話ね)今までアレのカタナがウエットで真横向いちゃったりするシーンを「ホントかな〜」とか思ってたけど… 本当になるんだね(失礼しました)。漫画家の東本昌平氏は噂に聞こえたゾディアック創設時のメンバー、そゆこといっくらでも経験してるから普通に描いちゃうんだろーかな〜

 ブレーキはそこそこ粘ってくれた。滑り始めのクイックリリースにも即座に反応。よって後期型FJにありがちなえびすさん(ABS)は必要無し。

 そもそもオイラ、ウエットが大の苦手で、高速降りてゴールまでの峠もまた辛かった。(余談・高速を降りた先の信号はあまりにも寂しすぎる所なんで「こんな信号、☆でなくても突破するだろう」と勝手に判断し、安全確認の上で無視した)峠の下りで観光バスの後ろについて「あちゃ〜」と思ったが苦手なウエットに加えて追い越しも苦手なのでしばらく後ろを走って、湖畔の赤信号をバス抜きついでにパス。(滑ってバスに特攻しそうになったが)

 ほうほうの体(てい)で湖畔着。

 ゴール地点と思われるより少し手前の駐車場にFJをつけたものの、他にバイクが1台も見えない。

 モタモタと案内の紙を引っ張り出す。

 むむむ… 確認することには、どうやらこの駐車場ではない模様。(駐車料金払っちゃったよ)

 実際は駐車場の脇を抜けてその先だった。数分ロス。
どうにか皆が停めた付近に一台分の空きを見つけてバイクを止めて、(☆の参加車は、お土産屋の前の駐車場は駐車するのは厳禁)ゴールへ向かって湖畔の砂利道を駆け足!

 …そう、☆ではそこまで駈けて行ってゴールのとある物にタッチして、初めてゴールと認定されるのだ。

 実際、この駆け足が一番辛い。駐車エリアからゴールまで、猶に500mはある。それをバトルスーツとブーツ姿で駆けるのである。

 幸いオイラは単独でのゴールだったが、もし僅差の集団でゴール争いになったら、「日頃から体力がない」「重装備である」オイラが遅れをとるのは必至だろう。ここで抜かれて順位を落とすほど悔しい事はない。

 

と、駆け出してすぐの砂利道にでる直前、お土産屋の椅子に見覚えのある人が腰掛けているのを発見した。

『RED君!』

「あ、こんにちわ!」

 浜松の「アタマがPの集い」主催のNさんだ。そういえば御無沙汰。相方らしき隣の人にもご挨拶。

『何、今来たの!?』

「遅刻したんですよスタートに (^^;」

『じゃぁダッシュしなよゴールまで、ほら速く速く!』

 ……ごもっとも。「じゃ、また後で…」と走り出す。

 と、湖畔をてくてく歩く炎の魔神イフリートの看板(Gベストの刺繍ね)に遭遇。の暴れキリタンポ氏だ。

「暴れさん!(お疲れっ)歩いてるってことはー…もうゴールしたん?」

『とっくだよ!』

「えーと、○×のクラスでしたんね」

『2位取ったぞ!(←すごい) それよりシゲ(←オイラはこうも呼ばれる)、紅い鷹が事故った!』

「んげげ!」

『一応体は大丈夫だけど事故処理が…で、何、シゲ、今来たの!?』

「遅刻した!スタートに (^^;」

『じゃぁダッシュだよゴールまで! ほら早く早く!』

  ……何かおんなじ事言われてるしー(笑)

 再び湖畔の砂利道をダッシュ。 上下カドヤ製バトルスーツにブラックシールドで駆け足というのはかなり負担。もうぜーぜー行ってる。

 しかし走る。確か…後半で抜いたFZ輸出仕様がいいかげん後ろから追い付いてきてもよい頃だ。(それらしき背面ゼネレータのエンジン音も駐車場に着いたのが聞こえたしな)あまりだらだらしてられん…

 息も絶え絶えになった頃になってようやく、ゴールが見えてきた。
奥には雨よけのタープが張ってあって、その下ですでにゴールしている皆がビールを片手に「がんばれー」「あと少し!」、とハイチのゾンビよろしく足を引きずるオイラに声援を掛けてくれている。

  むむ… が、が、がんばりゃー!

 ついにゴールに着い……… と、そこへ、謎の障害、人影が立ち塞がる!

「……ええい☆参加者と知っての狼藉か?! 貴様ら何者ぞ! 名を名乗れい!」

観光のオバチャン達『すみませんねぇ、写真撮って下さい』

(なぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃ!!??) い゛…い゛いでずよ゛っ……ぐぐぐ!!」

 だって仕方ないじゃん(笑)あの状況で「退け婆ァ!」…ってワケにもいかないしさ。
それにしてもあんなバトル姿でぜーぜー言ってるお兄ちゃんによく頼む気になれたなぁ…

注文には無いのにちゃんと遊覧船までバックに入るようにタイミングを計って撮ってあげて、(後ろで皆、爆笑してるし)カメラをお返しして(言っとくがピントまで責任は持たんぞ)、改めてゴール手順へ。

 ……高い。

 何がって、ゴールの台座が。 …無意味に高いぞ。 ちょっとやそっとジャンプしただけじゃ、その足の部分さえも届かない。すでに両足にジャンプする力も残っていない… 何度か方法を変えて失敗する度に後ろの皆に『まぁまぁ、次で行くから。見てろよ』、とアピール→でも失敗してまたウケる。 …なんかトムとジェリーの猫のほうの気分になってきた

 何度もチャレンジしてどうにかよじ登る形でゴール成功、タープの下へ行ってゴール係の人にエントリー氏名を申告。
スタートに遅刻していることも一応言ってみたら、そのへんも考慮してくれるかもしれなさそうな雰囲気で(今はダメです)ホッとしながらビールを貰い、一杯……

「クエストの証拠は?」

 ……いかん……バイク(のタンクバックの中)だ……

「あー、すぐ持ってきます」と言って、それでもビールだけは離さずに取りに戻る。もう走る気力ないっス〜

 戻る途中で、今までに抜いた人達が次々と湖畔を駆けてくる。どうやら別クラスで来たらしいがネコばす兄さんも駆けて来た。

「あ、兄さん!(おっかれ〜)今年はFZRで?」

『いや、セローで…』

「…………(どしぇ〜っ!)

 

 タンクバックからクエストの証拠を出し、再びゴール地点へ。さすがにこれの時間は、タイムにカウントしないで貰えた。

 既にというかとっくにゴールして、まったりしている上草柳君に、「ね、ね、オイラのクラスは誰がトップとったん?」聞いてみた。

『今年も去年と同じ…』

「うひゃ〜、FJのジャガさん(去年も優勝しているのでV2)かぁ… すげーなぁ…」

『何か今年もトップだって聞いたらその人、「なんだ、つまんねーのって言ってましたよ』

「お〜お、言う言う、言ってくれる! でも連続優勝だもん、それだけ言えるよなぁ…で、上草柳君自身は?」

『え、俺ですか?』

「やっぱそっちのクラスで優勝?」(←とぼけちやってこのこの!候補だろぉ?)

『まぁ、今年も… つまんなかったですよ

    ……もう上草柳君なんか友達じゃない。

『それにREDさん、今頃着いたんですかぁ?』

「だぁ〜かぁ〜らぁぁっ!スタート遅刻したんだっちゅーの!」

     ……もう上草柳君なんて絶交だ

 

 ま、遅刻を威張って言えることじゃないけど。

 ゴール地点から数キロ離れたキャンプ場に移動して(かなり迷った)、全身ずぶ濡れで雨も降り続いてるのでテントを張る気にならず、とりあえず顔見知り頼りでベトコンさん・暴れさん・紅い鷹さん・アンジーさん・sz1100Fさんらのいるバンガロー(…というか、小屋の程度によってコテージとか、呼び方があるそーな)に入れてもらう。

この人達はもうキャンプの達人なので、キャンピングガス等道具を使って炊事を淡々とこなす。

 オイラもいろいろな食べ物のご相伴にあずかりまして、感謝!
これだけごちそうになってロクな食材持ってきてない自分がとても情けなかった。

 紅い鷹氏の事故は、とりあえず体もバイクも無事の様でなにより。
警察がどうこうで時間だけ食ったという程度で済んだ模様。
あのもとさん、モンゴリアン氏、アニ番さんらも無事到着した模様。

 で、この後は…

 いつもはキャンプ場の真中の炊事場に召集が掛かって結果報告&宴会が行われるとのことだが… 今年は雨で誰も外に出たがらないのか、なかなか召集がかからない。その間オイラは、色々食べたりインナーウエアをコインランドリーで乾かしたり酒類を飲んでいるうちにすっかり疲れが出てきてダメ人間になってしまった。

 夜も更けてようやく召集か掛かり、結果発表と宴会になった。

上組は上草柳君から聞いていた通り、トップは浜松のFJ1200ジャガさん。
何と、ゴール手前でNさんと一緒に会った、若い風のお兄さんだった。
とても落ち着いた感じの人で4時間半は信じられない。乗っているFJ1200も自分と同じ年式の色違いだけに何ともうらめしい。

発表の段階ではオイラの遅刻は認められておらず、確か十位近くでランキングされたが、後日の名簿発送をもってオイラの遅刻を差し引いたタイムが再計算されており、実質上の3〜4位同着で遅刻した立場から4位、という結果と成った。
初参加ではまずまずといったところか。

 別クラスでは優勝が上草柳君、2位暴れさん、と、たてつづけ仲間内が入賞していて嬉しい。
恐ろしい事にネコばす兄さんがセローで上草柳君と同じクラスを走り、約四十台中8位という何かがおかしい順位が発表されていた。
(数年来のレコードホルダーなので納得は行くが…この人は一体何に乗せれば遅くなるんだろう)

 このほかに出発してから行方不明で連絡無し…という人もいた。

 これは毎年一人か二人は出るらしい。事故かエンジントラブルで停まってしまったか、途中で飽きて帰っちゃったか……

 この他、☆記念品のTシャツの販売等もあったので迷わず買った。(買ってすぐに地面に落としてしまって泥だらけになっちゃって、泣いた) Tシャツは年毎デザインが変わるので、年次購入したい。

 順位発表と自己紹介後も宴会は続いていたがオイラは早めにバンガローにもぐって寝た。
もー眠くてダメ。寝かせて〜

 翌朝、早めに帰って行く人達もいればだらだらと昼まで居着いている我々もいる。(雨は相変わらず降っている)昼前にいいかげん仕方なく各自バラけつつ引き上げた。

 帰りの道中、雨は上がったりまた降ったり。
すっかり油の切れたチェーンでギスギス言わしながらベトコンさんのデリカ(警視庁遊撃車仕様。もはや本物と見分けがつかん…)を抜いたら、警察のサイレンを鳴らしてくれた(笑)。

 FJは跳ね上げた水が足に当りやすいのでブーツの中は水がタプタプ。それでも自由気ままに気分で飛ばしたり飛ばさなかったり、1GAS区間を低燃費モードで走ってみてエコランにチャレンジしてみたりしてるうちに(飛ばすとリッターあたり9km、飛ばさないと18kmも走るってのはFJ、納得いかねーぞ)ウオータークッションとなっていたブーツの中がすっかりエンジンの熱で乾いてしまい、足の臭いを考えれば人前でブーツは脱いじゃイカン状態ともなっている。

 そう言えばNの辺りで120km/hぐらいで日和って流してたら、遥か後ろから赤灯廻した普通の高速隊パトカーが近付いてきたので走行車線に戻って道を譲ったら、前に割り込んできて、何か言いたそーな雰囲気。

「んー?」

 やがて後ろの電光表示版に の表示が出された。 

       ……これすなわち、

【普通の人】→「ええっ?速度違反だからパトカーと一緒についてきなさい、だって?」

【間違った人】→「何っ?! 『俺に続け』だと? そんなにこっちの走りが腑甲斐ないか。よし、見せてもらおうじゃないかお前のその走りとやらを。さあ、引っ張ってくれぇぇぇぇ!」

 

………………引っ張ってくれなかった。(←間違ってる)

しかも言うだけ言っておきながら、自分(パトカー)はちゃっかりインター出口車線が見えたらそっちにウインカーを出し始めるではないか! …なんだ、口だけかぁ?(だから違うって…)

 あんまり腹が立ったので『さっきまで数メートル後ろにいたバイクなのにあら不思議、抜く時にはこ〜んな速度差風、加速で横スレスレにブチ抜いたらそれが気に障ったらしくマイクで何か喚いていた。…とりあえずナメんな。

 その後どうなったかを今、これを書いている傍で訊ねられているのだが、確かその後は直線が続いていたので思わずバ玉最高速チャレンジとかやったりしてたし、よく分からない。(すみません内輪ネタです。同人誌・バイク玉は毎年夏コミケ発売。買ってね♪) 

 パトカー? …いつの間にか、いなくなっちゃったよ?(←腐れ外道)

 冗談です。真面目な話こっちが飛ばせば付いて来れないでしょ、多分。

 なーになに、…どーせ最初から自分を捕まえようとしていたんだろうけど、だとしたら120km/hぐらいで走ってるバイクに難癖を付けようってな、狭い了見だ。

 ひょっとして毎年、この時期の帰りにゆっくり流しているバイク連中を狙って捕まえては何のかんのとクダ巻いているのかもしれんが、だとしたらセコイぞ。

 でもあの電光掲示板は良かったな。色々と使えそう。
何か普通の車の中に付けたりなんかして、  とか。

 いやむしろ、  とか(銀座かよ!)




さて。長いこと走って、ようやく帰りの高速も終点ナリ。

 一応さっき変なの噛み付いて来てたんで、料金所ブースだけ青い制服が居ないかだけ警戒しておいて、安全を確認の後、料金を払う。
片道ほぼ一万円也。…普通の車の半分の時間しか利用してないから半額にしてくれない?(してくれません)

 夕方、首都高速のパーキングで時間調整してから会社(バイク便)に明日の仕事の鍵取りに行ったら、
『ちょうどいい、今からライダーミーティングやるからお前も出ろ。…? んなのなくていいから!』
と、上下バトルスーツにブラックシールドを履いたまま無理矢理、会議に参加させられた。

『赤羽ーっ、かっこいー!』 …そスか、ありがと。

『暴走族みた〜い!』 …毎日君と一緒に仕事してるよな?

 

「ほなら…コレ。」、と会社の皆に湖のお土産(翌日持っていくつもりだったけど。お菓子)をあげて帰宅。夜10時位だった。

 

 

【まとめと反省】

★まずガソリンの計算が全然ダメ。消費の読み甘過ぎ。…どうせ最初のカマ掘り事故がなくても給油ポイント狂ってただろう。

★バンガロー類が一気に増設されたそうで、知り合いがいるならもうテントは要らないな。(練習したのに…設営)そーなると折りたたみ傘とコテージ内で履くスリッパが必要か?

★初参加に遅刻していくなんてオイラ、自分自身の遅刻大王振りにゃほとほと愛想が尽きました。ちなみに☆の記念ステッカーはスタート直前に貰える物なので、今年はオイラ、貰ってません。

★パトカーの前ではもっともっとスピード落とさなあかんの?? …危ないよ逆に。 

★タイヤがまだ山残ってるからといっても☆のウエットでなんかじゃ危なすぎ。ケチらずに新品入れてくればよかった(仲間にも指摘された)

★向こうの泥水って浴びると赤っぽくなるけど、何で?? 

★1リッターのオイル缶に入れて持った予備GASは今回使わなかった …けどこの心がけは大切にしよう

★チェーンオイル必携。携帯用の小さいスプレータイプがお勧め。

★何か会社でオイラの正体バレている人が結構いるみたいだけど。何も言われないってのは…ウチは仕事さえしてれば誰でもいいのか?(実際そうです)

★で、今回は初参加なので完走出来てりゃ良しとしてるが… 次回参加するとしたら今度はやっぱりタイムを短縮したい。

 首都高の道間違えやゴール近辺のもたもたを無くしてその他全体で無駄を無くしたとするとシュミレーションで約10分は縮まる。しかしながら今回の連続トップのFJの人とまだ10分ないし20分の差がある。オイラにこの10分ないし20分の、何かが足りないんだな、何かが。

 

 

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