ライダーの防寒対策(季節外れ)
文・RED−WINGS
(2000.8/4改訂)
皆さん冬の寒さに対してバイクを乗るにあたって、どのような対策をしてますか?
心頭滅却すれば日もまた涼し! なんぞとはバイクの上ではとうてい唱えられたモノではないでしょう。風にあたる分の冷気を、人の何倍の量にもさらされているわけですから。というわけで、まぁ防寒といえどもウエアなりインナーなりメットなり、はたまた人間だけではなくバイクまでも防寒しなくてはいけない場合もありますが…まずウエアからいってみましょうか。
最近ではゴアテックスなど、通気性と保温性、対候性のいい素材のモノが出回っています。腰まであるハーフコートタイプのものはたいそうに暖かいとの事で(実は着たことない)大手バイク便などでも制服として採用する会社が増えてきました。まぁ、ゴアテックスゆーのは年中汚れ取りとかコーティングとかの専用メンテナンススプレーを吹いてやらないと速攻で保温も通気性もかつて多く見られた雨をはじく広告のような耐候性というのも落ちて、ゴアテックスでもなんでもなくなるという話で、「高いウエアはそれなりに維持費も高いのだな」とあまり身分不相応なモノは買わないように心がけていますが。
身分相応ってのは意外と大事なんですよね。お金があるとかないとかそういうのじゃなくて、オイラなんぞかつて仕事で毎日走り回ってましたから、ゴアテックスなんぞを買って毎日上に述べたような丹念なメンテなぞしていたら金なんかいくらあったって足りゃしないんです。こういうのはたまにしかバイク乗らない爽やかツーリングライダー向けなんだろなぁ… なんたって丸洗い出来ないってのが致命的。もし最低でも毎年買い替えるとしてもひとシーズン、一度も洗わないで着て走ったりなんかしたら泥やらディーゼルの排ガスやら2ストオイルの臭いやら混じり合って歩く悪臭の元になりかねんです。
結局、90年初頭のクシタニIMCR(初期・紺)以来、その着易さと保温性から以降クシタニびいきとなるほどに気に入り、背中が劣化で裂けるまで使いまくって、それの後釜としてクシタニ五反田店で買った95年頃の定番型(腕に大きくKUSITANIと書いてあるヤツ。たぶん売れなく値段も高いクシタニ商品の中ではコレが一番出回ったのではなかろうか)を、毎年冬、寒くなる度に出して着ています。これも何年も使っているウチに袖とかはだけてきて袖口のナイロンのインナーのゴムとか、もうとっくに切れてるんだけど以降のクシタニがカッコ悪くなっちゃってて、首周りも丈が短くなってあまり暖かそうじゃなくなってしまったので買ってません。今年引っぱり出したらば改めて限界に近いのが見てとれるんだけど、もう一、二年くらいはもって欲しいなぁ。そうすりゃその間に気に入ったモデルも出るでしょうし。クシタニは一、二年は細部やマーキングの変更、それ以上になると大幅にモデルチェンジとなるみたいです。
首周り…これも自分にとっては大切です。どんなに暖かそうな厚みがあっても、首周りや袖口から風が入れば寒いだけ。その点お気に入りのクシタニは襟首10B高に内側のボア、首まで一気に上がる大型で耐久性のあるジッパーや袖口の引き締まった部分といい(これもボタンとかになっちゃったんじゃなかったっけなぁ…新しいウエアは。手元に資料がないからよくわからん)、ベルクロで開けられる上に必要に応じてジッパーで二重に閉められるポケット多数といい、ちゃんと防寒はもとより、「走りながら」とか「料金所」とかの事までも考えられていました。
防寒に話を戻して、そんなクシタニ、その中に厚手のトレーナーとか着ていれば充分暖かいです。皆さんもウエアを選ぶときは、このころは良いのばかり出ているようですけど袖口とか襟元とかジッパーとか、そういったものに気を配ると良いと思います。ただクシタニは、とても市販の全天候化や肘・肩等の衝撃吸収材の理念に対して、商品開発がGW(ゴールドウィン)とかに大きく遅れました。これだけは「もっとしっかりしてくれ!」と言いたかったです。確かにテントとか造ってるあそこに耐候性の技術で先行しろというのは酷かもしれません…かもしれませんがどうもこのクシタニ、わざとこの問題に目を背けていたのではないかという開発の遅さです。ですからクシタニ派のオイラは完全に雨具派。全天候ジャケットなんて信じられませんでした。まぁ全天候といっても長い間雨に打たれてしまうと結局染み込んで、その水気と重みで何も着てないより辛いことになるそうですが…。(合掌)
ジャケットの他に暖かいウエアはないのか?! あと出来ればもっと安く(苦笑)
…となると挙げられるのはスキーウエアです。さすがに零下の冬山用、バイクほどでもないにしろスキーは多少は風を切ります。先輩の借り物で試したことがありますが都内には暑すぎるほどでした。防寒という意味ではお奨めではあります。また、スキー用ですから、多少濡れにくくも出来ている用です(直接の雨は知らんぞ)。値段も、型落ちとかが異常に安くなるのでオイラもバイク&滅多に行かないスキー、の共用として、神保町(東京のスポーツ用品店街)へ一着買いに行こうと赴きました。が、しかし…
むっちゃカッコ悪い。なんやこの妙ちくりんな蛍光色は! 汚れるやないか! 黒無いんか?黒!
…無いんです。バイク乗りっぽい黒、灰、赤、青、イエロー、ライム、の単色系が。ただ蛍光ってならともかく、色々な蛍光のつぎはぎに変な模様が入っているので、明らかにバイクに乗って着ると変。おまけに何やこの婦人物のブラウスみたいなボタンは! ヒモは! 毬藻みたいのもついてん?!(飾りらしい…)
さらに内張りの色がダサいんだ(苦笑) ボタンは使わねぇよなぁ、ボタンは。(笑)エナメルの、大きいやつです。どうにかしてくれよもう…(泣)
というワケで、スキーウエアも却下です。ちよっと昔まで、スキーウェアって単色系の、少し安っぽい(ビニールっぽい)バイク用ジャケットみたいなデザインばっかりだったと思っていたら、いつの間にかこんなファッション中心の色デザインに。ここでもファッションという言葉が実用性を土足で踏みにじっています。値段は三千円〜と格安ではあるのですが、いかんせん表には着て走れません。(値段が上がるのと比例して恥ずかしくないデザインになっていく…)材質は暖かそうに見えても、首もとはオープンだしあまり良くありません。着るなら首周りまでジッパーで閉まる薄手のジャケットの下あたりに着込むか何かする必要があります。最近ではスノボウエアなんてのも相当量出回っていますが… あれはもう、デザイン以前に機能的に論外です。実際に物を見ればわかります。あれじゃ単に派手なパーカだよ…
ただし、わざわざ神保町くんだりまで行ってタダでは帰れません。売場を廻って見ると…スキー用靴下があるではないですか!(喜) これはGETでした。バイク乗っててつま先が冷えるのはホント、我慢ならないですよね。酷い場合にはジンジンと痛んできます(オイラが冷え性なだけか?) このスキー用靴下、普段板の間で履いてみるとかなり感触が違う。これはかなり暖かいはず。というワケで、実際に大寒の夜中にこの靴下とオフロードブーツと靴下で走ってきました。結果は…期待ほどではないですが、ほとんど冷たさを感じることはありませんでした。ただ靴下を脱ぐと足そのものは冷たくなっていました。(やっぱり冷え性なのか?)これはいたしかたない。尚、シフトの操作感は若干鈍りますが、気になる程ではないでしょう。というワケでスキー用靴下は合格。
次、足と下半身です。
オイラは大抵冬の夜中は革製パンツ(もしくはカドヤのバトルの下)なので、膝カップが中にあるせいか膝はちょっとしか冷たくありません。
オイラ自身が膝は大丈夫なのかな…とGパンに中はジャージで走ってみましたら冷えるを通り越して割れるように膝が痛くなり、バイクを降りたらマトモに立てませんでした。やっぱり膝カップは偉大なのであります。事情があって、どうしてもGパンしか履けない人は、(世間体とか)最近いろいろなメーカーからライダー用の膝ウオーマーが出ているのでそれを買うと良いでしょう。Gパンの中に装着するとの事で目立たないと思います。皮革ほどではないにしても膝の保護にもなりますしね。
防寒の意味だけじゃなくても、膝・肘・肩・手のひら、腰は転んだら必ずと言って良いほど打つところです。見てくれなんぞ気にせずに何らかのプロテクターをつけましょう。手のひらはせめて厚手のものか親指の付け根の部分が二重皮になっているグローブをはめましょう。他に足先やくるぶしもよくヤります、ちゃんとしたブーツかせめて皮の半長靴とかワークブーツとか。脊椎はそんなに打たないかもしれませんが大事な所です。半身不随になりたくなけりゃ護りましょうね。
ちなみにこの寒い中スニーカーやビジネス用の革靴で走ってる人なんか居ないでしようね? これで「寒い寒い言って」高いアンダーなんぞ買っていたら本末転倒ですゾ。
というワケで、下半身です。何を言っても、オーバーパンツが一番。(あまりオイラは履かないけど)ただし防寒に関してだけです。真冬で暑いくらいなんですけどね、この点に関しては。物はバイクのウェアとして用品店でも(1〜2万)、安くあげたいのなら作業着屋でオーバーパンツとして(3千円から5千円)、どちらも寒い季節が来れば店頭に並びます。
性能は作業着屋の物でも充分すぎる程ですし、ライダー用の方がかえって昔のスキーウェアみたいなダサさがあるので質素な色をしたズボンタイプのを作業着屋で探すと良いでしょう。裏地に毛布のような起毛があるのがお奨めです。ただし、これらはどれもバイクに乗っている間はポカポカと幸せですが… 降りた瞬間からはダサいです。オーバーパンツを履いてバイクを降りた先で恥ずかしい思いをしながら街中をねり歩くか、あまりの腰の冷えに10分おきにトイレに行きながら走るか、…厳しい選択ですね。
また、用事によって使い分けてもいいでしょう。人の家に上がる事を想定するならGパンの上にオーバーパンツを履くとか(上がるときにサッと脱いでGパンになる)とか、友人の家での泊まり込みやくつろぎを想定するのならトレーナーパンツやジャージの上に皮パンという組み合わせも良。オイラ自身、皮パンは夜中の高速道路走行には必需品なので冬は中にいっつもジャージです。裾がぴちっとゴム引きで閉まるので足首もスースーしないし、皮パンの中にはとってもグー。
ちなみに雨の日はオイラ、ゴム長靴で走ります。それも一般用の黒いものです。(釣り用の、カラフルで底がしっかりしたのも売られていますが…ぴっちりとキツくて、しかもムレるし荷箱の中で普通のゴム長以上に場所をとるに嫌気が差して、すぐに辞めちゃいました)
冬雨ではゴム長でもやはり足先が冷えるので前述のスキー用靴下との併用がよいでしょう。また、オイラはゴム長の中にもインソールを敷いて履きます。これがまた暖かいです。
次は手です。足先と同様、心臓から一番遠い所が故にとても冷えやすい所ですね。
スキーグローブも昔はバイクでもそこそこ良かったのですが、(何よりも安かった)今はバイク用のちゃんとしたウインターグローブやオーバーグローブがそこそこの安価で出回っていますので、今は断然こっちの方がいいと思います。それにスキー用はもとの形状がグリップを握るカタチになっていないので(強制的に手を開く力が働く)、長時間は疲れます。スイッチ類の操作も結構辛いです。「もうウインカーださなくていーやー」なんて思っちゃいます。(いけません)
それより酷いのがバイク用のオーバーグローブを、「その為のものだから」と本当にグローブの上からはめた日場合です。とりあえずウインカーは出せません。
オイラは薄手の黒い綿の手袋の上にオーバーグローブで走り、バイクを降りたらサッと黒手袋になって歩きます。黒皮の上下スタイルには違和感もありません。
物はゴールドウィン(GW)のそのままの名前で『オーバーグローブ』というやつで、オイラは定価7千いくらを割引で5千円で買いました。一応ゴアテックスなんですが一ヶ月も仕事で走ると臭うので平気で洗濯機にブチ込んでます。意外に雨に強く、小雨程度だったら中まで浸みてこないで耐えてくれます。袖まで長いので革ジャンの袖口の風が入る所をすっぽりと覆ってくれますね。
このグローブカバーなら材質的に出来るかな、と思って試してみたんですが、切れたり穴が開いたりしたら風呂のタイルやシール用に使う、シリコン系のゴム充填剤(黒色もちゃんとあります。ホームセンター等で入手)で穴が埋められ、また穴が埋めた後の耐久性もバッチリです。これによって結構頑丈なオーバーグローブですが寿命がさらに延びました。
尚、ゴールドウィンも他のメーカのも、オーバーグローブは黒の他に色も何色かあったと思います。雨と言えば冬の雨の指先ですが、これほど冷える所はありません。オールウェザーやゴアテックスのグローブというのもありますがマトモな雨の前には…無力です。かえって水を吸って冷たく重くなって辛いです。オイラは諦めて厚手のゴム手のLLサイズ(このサイズがまたなかなか無い)で走ってます。雨具と同じ色であれば貧乏ったらしく見えませんから不思議です。当然、極寒の中では冷たいですが、まぁなんとか耐えられる限界です。意外にゴム手というのも使えるのでした。考えてみれば家事仕事で熱湯の中でも平気ですもんね。ただしこまめに干しましょう。作業着屋で油作業用の厚手のゴム手も売っており、こちらはサイズが大きめなので中に薄手の軍手がはめられます。耐久性も高いです。
次は、顔周りです。普通のジャケットで乗るのならバンダナもいいですけどそれじゃチト寒いなと思った方はフェイスマスクが良いでしょう。
材質的にはウエットスーツとかに似ている感じです。風を受け流すのか首元も暖かいし、雨雪にも相当耐えてくれます。ハンパな寒さだと暑すぎるかも。メーカーによっては防塵フィルター付きなんてのも出ています。大抵のフェイスマスクは裏表(?)黒となにがしかの色の2色になっていて、色を裏返して使うこともできます。
お値段2〜3千円ぐらい。普通の洗濯が可で、通常、毎日乗っているとしたら週に一回は洗う物です。ほつれた所は糸で直せるので何年でも使えます。欠点はあまり通気性が良くないので(当たり前)多少ムレます。
それからフェイスマスクに際して一つ注意。表面の材質的にヘルメットの顎ヒモが非常に滑りやすくなります。(って、フェイスマスクの上から顎ヒモかけるからいけないのか?)ちょっとでも顎ヒモの締めが緩いと、高速走行の風圧で横向いた瞬間スポンとメットがぬげてしまう場合がありますので、マスクの上から掛ける場合はいつにも増してキチッと締め上げましょうね。(経験者談。時速190km/hでの瞬間ノーヘルはなかなか快感でした。…死ぬっての)
バトル系の方々にはカドヤのネックウオーマー(商品名未確認)がお奨めです。黒皮で首から肩口まで丸くガードしてくれる、まるで赤ちゃんのヨダレかけのような形状から、我々仲間内では『バトルよだれかけ』と呼ばれています。口元から上は全然覆ってくれないという半端さが難点といえば難点ですが、同社のバトルスーツや襟首が同じ形状であるライダースのダブルの「大きく開いた胸元」をしっかりカバーしてくれます。値段は…結構高かったと思います。
ちなみにオイラはそんなリッチな物買えなくて、フェイスマスクです。本来ジェットヘルとの組み合わせが最適ですが、ちょっとキツいけどフルフェイスを被るときでも寒ければつけてます。フルフェイスでも口元が寒いので。
人間が防寒対策をするのなら、バイクだって防寒対策をしなければなりません。(結構マジ)
オイラ自身、かつての仕事柄ホンダVTZ系にゃ縁がありましたのでオーバークールという問題に何度も直面しました。そん時ゃ帰ったら今入っている冷却液を抜いて100%のラヂエター原液ブチ込んだろか思いましたがともかく(詰まるって)、オーバークールというのはなかなか体験してみると恐いもんです。もちろんサーモが効いているのは確かで、ちゃんと冷却液の流れは止まっているはずなのに、それでも水温が下がっていく(水温系の針は下に張り付いている)キョーフ… これはエンジンのシリンダーで止められている水が燃焼温度に負けて冷えていくのでしょうか。大自然の力ってのはすごいもんですな。
さてこのオーバークール、古くはオイラの初代実動機となったヤマハDT50の代から経験しているのでその症状は良く判っているつもりです。水温計が下に張り付いて「ヤベーよなー」と思っているとやおらエンジンのツキが悪くなってガス欠とも吸気の詰まりともどちらかはっきりしない症状でゴルルルルルル…とエンジンが止まってしまうのです。
大体が高速道路での巡航ですが…極寒地ではその例に当てはまらないかもしれません。
で、止まった直後はなぜかエンジンがほとんど掛かりません。落ち着いて一服してから朝の始動の要領でチョークを引いてから掛ければ、何のことはなく掛かります。重症でなければ一服しなくてもすぐ掛かりますが、アイドルは安定しないのでしばらくエンジンを吹かしてやる必要があります。いずれも充分に暖気してから、再出発しましょう。
どうも最近のバイク・旧車に関わらず車種によってはサーモの性能がいいのか、(自分のカワサキKRも極寒では水温系の針がCに張り付くことはありますがオーバークールで止まったことはありません)どうもこのオーバークールを体験してない人が結構にいる様です。
大寒の時期に遠距離の仕事ってことで高速に乗って「ガソリンがあるのに突然エンジンが調子悪くなってきて止まった!」なんて慌ててPAから営業所に電話してきた者も季節が来る度に何人もおりますが、バイクがVTZと言うからにはほぼ間違いなくオーバークール。まず落ち着いてからエンジンをかけ直す様に諭せば、やがて何事もなく戻ってきます。要は彼のはすぐ掛からない重症のやつで、だから焦ったのでしょうけど。
いずれにしても油温とか油圧とかクリアランスとか、エンジンに悪い状態なので無理して走らないようにしましょう。
というワケで対策です。まぁパッと出来るやつはガムテープ(分かってると思うがクラフトテープなんぞ使わない様に(笑)布だよ!)貼りで寒さに応じてラジエター前部に貼る面積を調整する方法ですが、(他に台所用のアルミテープとか)これは熱で糊が溶けてラヂエターが汚くなってしまうので自分の大切なバイクにはお奨めできません。テープも雨と熱ですぐ痛むのでひとシーズンで何回か交換する事になると思います。(その時、糊の汚いのがラヂエターに残って悲しい思いをします。逆に、数日おきとか頻繁に換えれば綺麗に取り除けるのかもしれません)
他に手近な素材としてはダンボールを任意の大きさに切って針金か何かでラヂエターに縛りつける方法があります。
前術オイラのDTも適当な大きさに切ったダンボールをラヂエターガードと本体の間に挟んでガードを押しつけた状態でネジ止めしたものですが…いやまったくダンボールの力もまた偉大でした。保温にしてもガムテープなんぞとは大きな違いがあります。まさに新宿の地下のダンボールハウスに住む方々の気持ちが解ります。(問題発言)
また、ダンボールはひとシーズンぐらいなら溶けて汚くなったりもしません。
モノがあればよくチャンバーのポート近い部分に巻いたりする断熱のグラスウール(片方がアルミ地のもの。今の人はあんまし巻かないか…)を針金で縛り付けるのもいいかもしれません。
この他に、最初に述べたようにラヂエターフルードを濃くしてやるとか方法もあります。ちなみにその逆に、フルードの度合いがうすいという事は水質に含まれる不純物が少なくなるワケですから、水温は下がります。ただし水温が上がりすぎるからといってフルードの濃度を極端に落としたり真水にしたりするのはヤメましょう。サビるし、寒いと凍って割れます(笑)。レーサーの人達がよくやってますが、アレは走行が終わったら抜くからなんです。ホームセンターやドライバー用品店で安く買えるラヂエターフルードですが、不凍液に防錆液と、大事な要素が詰まっているんですね。
最後に雪対策です。最大の対策は…
雪の積もる中を乗らない事です(←をい)
…すいません冗談。まぁ、出来るだけ雪の日は家で大人しくしてましょうね。普通のロードスポーツなんかだと、目的地に行くまでに何度一回転してコケるかわかったものじゃありませんから。いや、アクセルターンの練習をする日こそ、まさにこの日でしょう。
オフ車でも結構キツイですよね。特に踏み固められ半分解けてからまた凍った夜なんか最悪。路面の黒くテカってる部分を避けてわざわざ雪の上を選んで走った方が安全という始末。まぁこれは都会の夜での話なんですが、基本的に都会の人間は雪の上ではバカだと思うのですよ。ってゆーか無知ですね。ホースで水を撒いて雪を溶かそうとするわけですが、気温が低いからその水さえ乾かない。そして夜が来てそれが一面に凍ってさながら夜の路地は黒光りするスケートリンクです。せめてスコップでどかせば水気は残りにくいのに…あぁもうバカバカバカ〜!
話は戻ってカブとかだとスノータイヤやタイヤチェーンが出ていますね。まぁこうでもないと郵便屋さんや新聞配達が走れませんから。中には『ロードスポーツ250/400/750用タイヤチェーン』なんてのもどっかの雑誌で見ましたが…さすがにアレをつけて走っている人は見たことありません(笑)。バイクがキズだらけになると思うんですが。(それ以前にアブナイ…)
どうしても雪中行軍をしなければならない人。
…命の保証はしませんがとにかく、オーバークールよりも気を使って欲しいのは、走行直後は出先だろうと夜だろうと必ず水とブラシでエンジンに掛かった雪ドロを流すという事です。特に空冷。シリンダーやクランクケースに蓄積された雪ドロが熱を加えた状態から冷えて固まったが最後、こびりついて洗車ブラシなんぞでは絶対取れなくなります。まぁ焼き物の要領と言えば判りやすいのではないかと。メラニン塗装処理や砂型クランクが好きな方は…まぁそのままでどうぞ(笑)。ただし、マダラですよ。
水冷においてのみですが、走る前にあらかじめ、前述のようなダンボールをラヂエターの中心下部、つまりタイヤがドロを跳ねる所にあてがっておけば、雪中走行でコアの間にドロが目詰まりしたまま固まることはなくなります。ただしこの方法は雪中走行自体にエンジンに膨大な負荷がかかるので、水温と相談次第になると思います。
というワケで寒い季節が来た時の(苦笑)防寒対策でした。では皆さん、安全運転で!