バイク・車乗りだけの… お奨め映画
初出:バイク玉96年夏号〜冬号掲載
加筆訂正:2008年1/5(Webサイト)
まずは邦画。ご存じの「首都高速」シリーズ・・・・からちょっと道を外れたような四輪走り屋モノ映画。
『ヘイ!オイラーズ』 〜甦るスカイライン神話〜 1991年 ジャパンホームビデオ
ストーリーは、以前族の頭だった主人公が父親の経営するガソリンスタンドの店員を勤めているところに昔の族仲間(32GTR乗り)がやってくるあたりから始まり、東京から戻ってきて一転して走り屋となっていたそいつと仲間の挑発的な態度に火をつけられた主人公が走り屋魂に目覚める・・・・が、悲しいことに車はヤンキー風味満点のグロリア。農道ゼロヨンで簡単にチギられてしまう。悔しい思いの主人公。しかも、族時代からつきあっていた彼女の事も、そいつは本気で狙っていたのだ。ところがある日、彼の父の兄貴(解体屋を経営)の口から意外にも自分の親父が昔ハコスカで四輪レースにでていたことを聞かされる。そしてそのハコスカGTRは、今も納屋の奥に眠っていた・・・・ といったところから新旧GTRの峠対決に話が展開していく。
首都高速トライアルシリーズが二作目以降から異常な手抜きになってつまらなくなっていた当時(でも土屋圭市選手のドリフトは見たくてビデオは借りてた)のオイラと友人が「これもその手のヤツか・・・・?」と借りてみたら、これがなんとも面白い。笑える。演出や映像効果までギャグを狙ってる。途中から出てくるラリ男君(名前そのまんまの奴)もイイ味出してるし、表は教師・裏は峠のドリフトキングという役柄の土屋圭市選手の演技もいい。しかし、いたるところで笑いをとってながらも、ドリフトの練習シーンはさすが土屋選手をテクニカルアドバイザーとして起用しただけあって、しっかりとした走り。ハイキャスやレースガス等、意外に車関係の設定に凝っているのと、特にこれは原作か監督側に思い入れがあるのだろう、ハコスカGTRの特徴・戦歴にものすごく詳しく、カメラワークやサウンドに加えてメモリアル的な演出をも見せている。このへんはどこぞの首都高シリーズとかよりもはるかにマトモな出来。オイラからしてみれば監督も作品の出来もこっちの方が一流である。
でまぁ…お奨め、というわけではないんだけど、けなしついでに
『首都高速トライアル』 シリーズ1作目 (にっかつ)
スカイラインRSにこだわりがあるのかな?
88NSRが出す見事な4サイクルサウンドはご愛嬌。それをいうなら、ブラックレインだって…ねえ。(涙)
ストーリーの中での主人公の気持ちが伝わってきて、ストーリー的にはよくできていたと思う。RSは音は良く撮れてるがなんとなく空吹かしっぽい(笑)
『首都高速トライアル』 シリーズ2〜ファイナルバトル (にっかつ)
唯一の見所については先に述べた。映画単体としては楽しもうと思わない方がいい。2作目以降からストーリーも矛盾だらけでメチャクチャ。ワケがわからん。でも、タクシーのウインカーがハイフラなのは貴重な映像かもしれない。(それって…単なる早回しなのでは…?)
『湾岸ミッドナイト』
話は何だかよく解らなかったが、L型改のサウンドだけでも観る(聴く)価値はあると思う。(実車ベースの映画だからなぁ…)なんだかこれのメイキングビデオみたいなのが某カー用品店に出回っていた記憶がある。
近頃はシリーズ作になっているようだが、オイラはまだ見ていないので何とも言えない。楠みちはる先生のマンガは面白いよね。
バイクもの。車ものよりテキトーに作られているという噂もあるが…
『バリバリハングオン』
もろ峠の走り屋ビデオ。今考えると凄いタイトルだ。出たのが走り屋ブーム全盛期の80年代半ばということもあって、当時の規制前の大垂水は見モノ。走るマシンの中にはKRとかVTとかも混ってるし(フルバンク膝すり状態で!)、なんといっても彼らのやってることといえば、トランポでレーサー持ち込み、走らせる、レース用スリック、新品卸タイヤにヤスリがけ、ハングオン渋滞、反対車線フル活用のアウト・イン・アウト(大垂水で!)等、ウチらの走り屋世代では考えられないことばかりの映像は逆に新鮮。もし当時にオイラが全盛期だったら、ここで死んでたかもしれないなぁ。(それ以前に、恐くて行けなくて終わりか?)バイク乗りなら誰しも一度は観てるモノ、と思っていたが… なんと、仲間内の佐川君(仲間内きってのTVっ子)はまだ観てないことが判明。
…よしっ、教育してやるっ! (何を?)
『バリバリハングオン・2』
前作とは切って返したような騙しビデオ。最初の画面で、「ゆっくり流してるなー」と思ったら、誰が描いたかハングオンしてる絵がいきなり画面に映り、またゆっくり流してる実写の映像に切り替わり、延々とそれの繰り返しで終わる。よーするにコーナリングのシーンは絵で勘弁してくれ、と。
パッケージを見たらなんとこれで値段が2万弱(!)よもや金を出して買った人はいないと思うが…
ちなみにオイラはというと、腹が立つどころかひたすらウケた。「おお、これぞまさしく、絵に描いたようなハングオン!」(喜)(レンタルだったし)
『BEーFREE!』 (86年・東映)
週間少年ジャンプ連載『まじかるタルルート君』の江川達也先生がモーニングに長期連載した漫画『BE−FREE!』を原作とした実写版映画。原作でのVT250F(第一話からFC・FE・FH)の活躍ぶりと江川先生の並ならぬ描き込みは全国のバイク好き読者を震撼させた。
実写版映画では、原作でのVTのこだわりはともかく、VT250FEの改造内容からメットのカラーリングまできちんと再現したのは偉い。特筆すべきはこのVTに乗ったスタントマンの腕前で、長期直立ウイリー走行から教室内での連続アクセルターン走行のシーン(机とか椅子とか、すぐ周りを人間が取り囲んでいる、その僅かなスペースでだよ!)等はもはや曲芸の域。相当の手練れと思われる。
ストーリーにおいても、主人公教師【笹錦・洸】の性格もよく表現されているし、原作と違うストーリー展開(失敗映画はここで脚本と監督の[勘違い]が表面化するんだよなぁ)でありながら原作の基本スタンスであるテーマを外れなかったのも良いところ。
ところで… 当時から、主演の「女ったらしでいかにも軽薄な」笹錦役に羽賀研二をキャスティングした監督って…
次。洋画。向こうはハリウッドとかもあるだけに、本場。バイク・車アクションについても例外ではない。特に偉いと思うのが洋画では、何でもない、ただ状況が解ればよいシーンでもしっかりとしたスタントを起用している点。後に例で述べるが、邦画ではこういった映画は非常に少ない。それどころか車・バイクの演出で力を入れなければ観る側に伝わらないシーン(危機感・状況・心境等)のスタントまでもがおざなり。だからこそ先に『BE−FREE!』をとりあげておいた。
『ストリートホーク』 (1984年・ユニバーサル映画)(CICビクター)
とりあえず、モノが手元にあるのだが…(買いなさんなそんなの) なんかパッケージに書いてあることが凄くて。
「ストリートホークは一切の人間性を排除した超高性能スーパー・メカ」(超はやめなさい超は!)「全身コンピューター制御で時速200〜300マイル。(…じゃまずボンネビだね。笑)4階建てのビルの高さに垂直上昇でき、」(!)「赤外線レーザーガンで10トントラックを木っ端微塵!……」(どうでもよいが、レーザーというのは粉々にするものだったろうか…?)
……ともかく、ここまで読めば誰にでも想像つくと思うが、SFバイク物。で、空飛んだりとかどうとかはこの際ほっとくとして、逃げ回る悪役のオフロードバイク2台(XR系かと思われる)の、階段を上ったり狭い通路で歩行者の間を抜けていく(二台で)シーンはちょっとやそっとの練習では成功できないと思える出来映え。これとは違うが、大分昔にレンタルで借りた、アクション洋画の悪役(タイトル忘れた。もう一度観たい)のオフ車軍団を思い出した。アレは実に見事。隊列・間隔、一糸の乱れもなく、そのままきれいにコーナーを抜けていく。とりあえず、悪役が逃げているシーンとはとても思えない。(普通こんなして逃げないよ〜)どこかのモトクロス・スタントチームのプロモーションビデオみたいだったな。
ま、どこの何とも思い出せない映画の話はともかく…。基本的に、このストリートホークはいいスタントを使っているらしく、主人公のスーパーバイクもなかなかの走りを見せてくれた。
それにしても、解らないのが主人公の乗るスーパーバイク。SFったってこりゃ「やりすぎ」って改造センス。(よくこれでジャンプとかやるよ)そもそもこれ、ベース車両が何だか全然判らない…
※判らないので「誰か教えて!」と書いていたら、ストリートホークFAN様から当サイトの掲示板に↓の投稿を戴きました。
「何種類かあって、日本でビデオとLDの出たパイロット版(長編の第1話)に使用されたのは、ホンダXL500と出てますね。全13話あって、シリーズ中にはホンダXR500とXCR250が使われた様です」
なるほど、意外な日本車が…!それにしても昔の仮面ライダーとかそれ以上の崩し様で、まったくわかりませんでしたねー。
ストリートホークFAN様、情報ありがとうございました!
『MAD・MAX』 (1979年 WARNER.BROS)
車・バイク乗り(特にバトル系)でこれを知らない人がいるとは思えないので内容は省略する。もし、まだ観たことがない、という人はそのことを決して口外せず、人に見られることのない夜中にレンタルショップへ(どこでも置いてあるから)借りに行こう(何でやねん)。
とりわけ、身内(?)でもZ1・バトル・アメ車等、話題の多い映画である。あのZのマフラーは左出しだとか田舎の駅でトゥーカッターに脅されるオヤジがWGPのケビン・シュワンツにクリソツだとかグースのあの歌が謎を呼んだり、真似して歌えないかと練習してみたり、ツーリング先のファミリーレストランの駐車場にバイクを並べて止める時誰かが手を振ると全員意味なく空吹かししたりとか二人で組んで不気味な踊りを踊ったりとか(笑)。皆よく見てるのね…。
皆は「2作目・3作目(サンダードーム)は駄作だ」というが、(確かに3は救いようがないが)2はスタントアクションとストーリーにして最高のスケールと見せ場のある出来だと思うぞ。そういえばどこかに「オレよぉ…マッドマックス嫌いなんだよぉ、だって車でバイクとか轢いていくじゃねぇかよぅ」なんて言う、映像を単体の技術として捉えることが出来ない、かわいそうな人がいた。…オイラも職業上四輪は天敵となるしこんな本出してるくせに実は四輪クソ食らえの思想だけど、さすがにここまでひねくれちゃいないね。少なくとも技術の一つとしては認めてる。
オイラのKR仲間、T氏は「観たことがない」と言う氏の友人に、MADMAX(初作)のビデオを観せた、のだが…「面倒だった」のと、「時間がなかった」のとで、殆どのシーンは早回し。結局、最初のMFPがV8を追い回して町中をメチャクチャにしてマックスがV8煽ってクラッシュさせて大爆発のシーンとトーカッター率いるバイク暴走族達がカップルの車を襲うシーンとか最後のマックスがV8インターセプターでそいつらに正面から突っ込んで全員橋にブチ落とすシーンのみを見せて時間切れとなった。
その友人は、「…MADMAXって、悪党の映画だったんだね」と信じて帰っていったそうな。
MADMAXは何でも向こうの国では当初、B級シネマ扱いされたというが、とても信じられない。確かに主演のメル・ギブソンはそのころは無名とまでいわないまでも、若手新人俳優だったことは否めない。聞いた話によればギャラ(出演料)は、トーカッター役のヒュー・キース・バーンの方が高かったとか。
それが今や数々名作の主役をこなすメル・ギブソン。この人の主演した話題作について考えてみよう。
メル・ギブソン 映画出演における傾向と対策(意味不明)
エア・アメリカ・・・・・・さわやかメル・ギブソン
リーサル・ウエポン・・・・・・熱血アナーキー メル・ギブソン
フォーエバー・ヤング・・・・・・オイラの〜パパ〜は〜♪ メル・ギブソン
MAD・MAX2・・・・・・世紀末救世主伝説 メル・ギブソン
MAD・MAX1・・・・・・バトル系メル・ギブソン つーか、若過ぎ。
*まことに残念ですが、シブヤ系メル・ギブソンは該当作品はありませんでした。
これらの映画で、幾つか感じとれる面がある。
●役柄や映画によってものすごく人柄が変わる。
役者だから当然、なのかもしれないが、この人だけはそれ以上の変貌ぶりを感じさせる。仕草や雰囲気的にこうまで変えられるというのはすごい。
●飛行機が、好きらしい。
いや…何となく、そういう映画が多いな…と。飛行機に限らず、何かを操縦しているイメージが良いからキャスティングされているのかも。
基本的にヒーローには違いないんだけどA・シュワルツェネガーとかジャッキーとかとはまた違った魅力を感じているのはオイラだけだろうか?
尚、雑誌によるとグース役の人は今も向こうの刑事アクション番組で活躍中だとか。
『紅の豚』 (アニメーション・宮崎駿監督作品)
「なんでアニメを?」 「それ、飛行機乗りの話でしょ?」
……そうだよ。スタントはおろか、バイクも車も出てきやしないよ。でも、バイク乗りなら、とにかく見ろ! 以上!
洋画や邦画はまだ沢山あるのに、アニメやらCMやら… ま、『ナイトライダー』とか、『いつかギラギラする日』とかにしょーもないツッコミをいれたかったが、それはまたの機会に…。
『街の遊撃手』 ? (いすず・ジェミニのTV・CM)
これは見てる人も多いしインパクトもあったのでかなりの人が憶えているのではなかろうか。ジェミニで、二台横に並んだままスピンターンかましたり、河の上をジャンプしたり、ジャンプ同士で交差したりと、だんだんエスカレートしてきて、見てるこっちが恐くなるあのCMである。バージョンが変わる度に「次は何をやってくれるのか」、楽しみだったね。
ま、乗用車のTVCMに関しては別項で述べたけど、このCMだけはそーゆーのと関係なしに、「スタントの技術」単体として楽しめる映像としてとらえるなら、最高のアイディアだと思う。
しかしながら新型のジェミニはあまり売れなかった。何故?あんなにカッコ良くなったのに…。それどころかいすずは乗用車の生産をヤメてしまいしました…勿体無い。
このCM、今では動画サイトなどを探せば、まとめて一本にしたものを見れますので、ぜひ探してみてください。
上記にてMAD・MAXを紹介させて貰ったが、その起源となる映画が存在する。
『STONE』 1978年・オーストラリア映画
邦題『MADSTONE』 1981年日本公開 吹き替え・日本ヘラルド映画
オーストラリアが舞台。政治家の演説会場に居合わせた暴走族『墓堀り軍団(グレイヴ・ディガーズ)』達。彼らの一人、通称・ガマ蛙(ヒュー・キース・バーン)はラリっていながらも偶然、狙撃犯を目撃してしまった。 直後にして狙われ、次々と殺されていく暴走族のメンバー。連続殺人の捜査のため、暴走族『グレイヴ・ディガーズ』に新入りとして暴走族に入った若手警察官ストーンは、初めは警官という理由で嫌われるが、一緒にバイクで走る事によって次第に彼らと心が通じ合っていく。しかしそこで、ストーンら『グレイヴ・ディガーズ』は例の狙撃犯を捕まえた。『グレイヴ・ディガーズ』のメンバーであり、潜入捜査官でもあるストーンのとった行動とは……
マッドマックスと比較して軽快な音楽と字幕が見られるが(どことなく自主制作っぽい雰囲気も感じる)、最初のそんなオープニングでもZ1を発進させるシーン等見せ場のカッコ良さは失われていない(両立は難しいかも…)。各シーンでのスタントと演出もしっかりした出来。(でも音は吹き込みの部分が目立って多少気になった。ま、MAD・MAX観ちゃってるからね…)
オイラが見てて感心したのは、メンバーの葬式へ向かうシーンでの軍団(先頭のサイドカーに棺)の葬列の長さ、それから見て取れる彼らの仲間を想う気持ちを表現するために、とても長い時間と多い視点等、演出に気を配った点である。オイラは、この葬式の方法を漫画『バクダン』(東本晶平著・ミスターバイク・BG掲載)で知ったのが初めてだが、東本先生が書いているという事はひよっとしたらゾディアックの人達もそういうことをやるのかも知れないし(憶測。さすがに漫画だけの話か?)だとするとこの方法は大陸のバイカー達から流れてきた伝統なのではないかということも予想できる。
話を演出に戻して、普通の映画であれば、「ハイ、葬式です。ハイ、バイク乗りの行列が出来てます。先頭のサイドカーに死んだ仲間のカンオケが乗せられてます。ハイ、見たね?いいね?…じゃ次のシーン」(笑)で終わらせてしまうところを、「どれだけ長い行列が出来ているのか(視点をかえて)」、「それが何を意味するのか」という事を観る側に認識させる…詰まるところ「見せる」べき大事な部分にしっかり時間(それも限られた少ない)を割いているあたりが評価できる。
これが観る側が何も考えてない、ただボー然と観てるだけの奴だったら、「なんだこの映画、行列のシーンがやたらとしつこいな。時間潰しか?」などと想われてしまいがちで、自分たちの創った映画を多くの人に買って貰いたい(観て貰いたい)側としては、どこまで演出に凝るかそのものが、ギャンブルと紙一重なのかもしれない。
暴走族の配役でほぼ主役的存在であるヒュー・キース・バーンは、ご存知MAD・MAX(初作)のトゥーカッター役。売れっ子なんだろうね、今回もとても暴走族役が似合ってる(笑)。
同じヒュー・キース・バーンが演じてるということで思わず比較してしまうオイラだが、彼らが演じたMAD・MAXシリーズでの暴走族役では完全に
的イメージ、STONEの『グレイヴ・ディガーズ』では「バイク乗り達」とか、「アウトサイダー」といった印象を感じたが、どうだろうか。
作品全体にもアバウトな感じが見られるのにそれが一因としてあるのかもしれない。特にその代表たるや音楽で、その場の雰囲気で大きく変わるのは何でもそうだが特にこの『STONE』はその変化がなかば冒険じみた変化の激しいものとなっている。MAD・MAX2みたいなズウゥゥゥンという効果音的な重いサウンドからポルノ映画にでも使われてそうな面妖なサウンドまで明らかにミスマッチであることを狙ったのではないかと思わせるほどの曲使いにはびっくり。
この映画の結末は特に後味の良い物ではないが、話を最初から通して観れば主人公と暴走族達の心境の変化がわかっているので、「なるべくして、なった」と感じることができると思う。
『STONE』は、マッドマックス初作より約1年早い1981年に『マッドストーン』の邦題で日本公開されたが、それ以降TV映画でも放送されている。その際、『グレイヴ・ディガーズ』という暴走族のチーム名が『デビル・スネーク』と訳されていたがその真意については解っていない。日本ヘラルド映画が和訳したビデオソフトの字幕では『墓堀り軍団』となっている。
尚、今回の映像企画にあたって般若信之氏こと湘南番長に『STONE』についての情報を教えて頂き、深く感謝するものであります。
暴走族役のヒュー・キース・バーン。この頃すでにオーストラリア映画の悪役専門のスター的存在。日本で言うと悪役商会の青汁のアノ人のようなもので(違うぞ) | ガマ蛙(ヒュー・キース・バーン)が主人公に語ったバイクの思い入れは、現在においての我々バイク乗りに通ずるものがある… |
『大脱走』 1963年 WARNER.BROS 監督・ジョン・スタージェス
世界的に有名な作品なので説明は省く(観なさいそれくらい)。尚、本来この映画はノーカットにすると三時間余に及ぶ長編な為、LD(もしくはDVD)で見ておきたい一作である。
この映画は初めて見るダイ・ハード的なハラハラ・ドキドキが楽しめる。しかも脱走の手順からその結末まで全部史実に乗っ取ったものだというから凄い。
どのシーンでも目が離せない、良い映画だが(やたらと長くもあるが)ラスト近くの独房王・ヒルツ役のスティーヴ・マックイーンのバイク・アクションがやはり我々にとって注目すべきところ。単に「上手い」というだけではなく、数々のアクションシーンでのスタントをスティーヴ・マックイーン本人がこなしたという点で賛嘆したい。(ジャンプのみ、本人ではない専業のスタントマンによるもの)彼本人バイク好きでもあり、また一説によっては実は彼はスタントマンから俳優として映画スターに叩き上げられた人間で、だからそれが出来る(もしくは自分でやらないと納得しない)とも云われている。ダートラ顔負けのカウンター当てっぱなしでひたすら草原を逃げまわる、(しかも「見せ」のカウンターではなく、キチンとスピードに乗せている)一瞬のうちにアクセルターンで360度転回して全方位を確認するシーン等、思わず笑ってしまう(?)程のバイク・スタントを見せつけてくれる。
結局そのヒルツも含め、脱走した50数名は全員ドイツ軍やゲシュタポに捕まるか多くは射殺されてしまったわけだが、この映画はその射殺された50名の兵士達に捧げる意味で作られた。
ヒルツ(スティーヴ・マックゥイーン)の仕掛けた罠に掛かって転倒する直前にドイツ兵が見せたフルカウンター(下はアスファルトです)この他、最後にヒルツが逃げ回るシーンではでこぼこの草原で延々とダートラ顔負けのカウンター走法も見ることが出来る。 | ラスト直前、国境の高い柵をジャンプで越えてしまうヒルツ。このシーンはマックゥイーン本人ではなく、スタントマンによるもので、ジャンプシーンも本人は希望したが、映画会社から許可が下りなかった事が後になって明かされた。 (このページをご覧になったぽりりん様よりメッセージ投稿フォームにて、お教え戴きました。ぽりりん様、ご返事を出しそびれてしまいましたが、ありがとうございました) |